Friday, June 08, 2007

エレナ・ポーター (著), 村岡 花子 (訳) 『少女パレアナ』(文庫)
この本は、私に約半年振りに感想文をアップさせた。
この間、何冊もチョイ読みはしていたり、感心させる本に巡りあっていたものの、このブログに感想をアップさせはしなかった。
何が違うのか、この本と他の本は。
非常に核心を突いていること、しかも非常に単純に。
それと話の展開。涙する。
核心は『喜びの遊び』。これ、癖になりそうだ。

あらすじなぞは検索すれば簡単に分る。
日本語訳がもう40年以上前のものだから、違和感がある。
でも、一読を薦める。

感想文では絶対分らない。一読してもまだ分らない。
核心の核心はpp.198-199。ここを何度か読み返した。
そして、核心^2の部分から後をもう一度読んだ。また涙した。

定価540円の本ではあるが、pricelessの価値があると思う。必読。

Tuesday, January 23, 2007

神田 昌典『成功者の告白―5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語
このところ読み始めても途中で読書を頓挫してしまう本が多い。でも、これは珍しく4日後には読み終わっていた。それだけ、読むまずにはおれないものを持っている。
その一番大きな点が、今の時代風景が反映されているからだろう。会社での従業員や経営者の様子が、会社軸、家庭の軸と時間軸の3次元で描かれているのが面白い。しかもその軸を隠して、物語だけを楽しむんじゃなくて、軸の存在そのものを物語の形で伝えたいとの著者の意図もよく分る。
物語としては圧縮気味。でも、そこまで要求したら本末転倒なんだと思う。
会社に関わる人、家族に会社員がいる人も一読を薦めます。

Tuesday, November 21, 2006

宇田成徳著『就職試験に落ちたくても落ちられない話
著者の玉川大学での特別講義録バージョンをT氏に頂いて読んだ。末尾のAmazonにリンクを張ったのとは体裁が違い、全88ページの小冊子だが、内容は多分同じだと思う。
著者の人生に対する根源的な思いを、大学生の就職試験という1イベントに焦点を与えて、教え導いている。学生の視点に立っているからか20年で試験に合格しなかったのは一人だけとのこと。具体例がいっぱいあり、それも興味深い。
学生だけでなく大人も参考になると思う。会社生活は変化が少ないから、「積分」で捉えた方が楽しみを感じられるとか、理工系人間にはピンとくる表現があったりする。
一番感心したのは、『私は30数年、「ありたい自分、なりたい自分」を毎日書いているんです。』(20頁)との点。意識を強化する方法として紹介している。これ簡単。TVのCMと同じことなんだから。
会社と自分の関係、自分の人生を見直すには良い本だと思います。

 ・宇田成徳工学博士のホームページ
 ・この本のe-honのサイト

Sunday, November 19, 2006

本多静六著池田光編『本多静六一日一話 人生成功のヒント366
本多静六氏のことは30年ほど前に渡辺昇一著「知的生活の方法」ではじめて知った。収入の4分の1を天引き貯金することで始める蓄財法を実践した大学教授だと。「知的生活の方法」で『恒産』の重要性を主張している箇所に登場したと記憶している。
2回目の出会いは、今年の春MOOK「マネーの王道」で。人気は変わらない。
そして3回目の出会いは先日Junku堂で。この本をみつけ座り読みをしていてツイツイ買ってしまった。
この方、天引き貯金だけでなく、「1日1頁原稿執筆」もやっていたそうで、著書が370冊を超えるそうだ。著書の中から名言を編者の池田氏が366個拾い集めたのがこの本。
1892年(明治25年)25歳~1952年(昭和27年)85歳で亡くなるまでに生み出された言葉の数々だ。幼少の頃に父親を亡くし、多額の借金返済で貧乏を経験したが、学問に興味を持ち、ついにドイツで林学を学び、日本で最初の林学博士になる。山林や株で蓄財し、退職の際は有り余る資産を地元公共団体に寄付したそうだ。退職後は人生学を学び、人生相談にも応じたとのこと。その時代でもグローバルで独特な感覚で人生を駆け抜けた方とお見受けする。
本に書かれたお話は、非常に現代に通用する。日本が産業社会へ突き進む時代を生きておられたので、「与えられた仕事をとことんやれ」みたいな雰囲気もあるが、そんな時代の風に流されているのでなく、「自分で考え自分で実行する」(p.103)など自立が前提である。また「努力」って言葉も多用されているが、肩に力が入った「努力」でなく、ついに楽しみになってしまってやらずにおけないって感覚のことを「努力」と言っておられるようだ。
話題は蓄財だけでなく多岐に渡る。「食欲、性欲、自由欲」なんて話も登場する。人付き合いも。寺田虎彦の随筆集を思い出させる多様さだが、それに比べれば1冊でまとまっているし、一つの話題毎に月日がふられているのが便利。
今回読んだ中で一番のお気に入りは4月5日の箇所にある「現在に感謝せよ」。「現在に進み得たことと、さらに日に新たなる努力を楽しみ得る境遇とに感謝する」との意味。ついつい忘れるよな、「感謝」。
手元においておき、折に触れて目を通す本だ。

Saturday, November 11, 2006

ダニエル・ピンク著大前研一訳『ハイコンセプト
読んだ後、なにか不思議な感覚になる本です。どうも読書に対して従来期待しているもの、特に成功本とかビジネス書になんとなく無意識に期待しているものとは違ったものを与えてくれる本です。従来の期待ってもしかしたら、私の左脳が期待していたことかもしれない。何か論理的に納得のゆくものであったり、仮説としてそれらしい論理を感じられて試してみたくなるものだったような気がする。
この本の第一部は私の左脳の期待に応えてくれている。工場労働、単純知識労働は安価を理由にともに先進国から他の国(中国、インドなど)やコンピュータへ移転してしまい、先進国にいる人間はそれでも価値ある仕事を見つけ出さんといかん。外国でもコンピュータでもできない本質的な満足を与える仕事は右脳でこそ実現できると。納得。
第2部は右脳を鍛えて先進国でのこれからの収入の道を開く「六つの感性(センス)」を説明している。
1.「機能」だけでなく「デザイン
2.「議論」よりは「物語
3.「個別」よりも「全体の調和(シンフォニー)
4.「論理」でなく「共感
5.「まじめ」だけでなく「遊び心
6.「モノ」より「生きがい
「物語」のところでは、アメリカの医学生が患者から症状に関する「物語」を聴き取り治療に役立てる方法を学んでいるとの逸話が紹介されている。臓器別の知識では治せない、見誤ってしまうことをアメリカでは気付いているし、それを教育の中に取り入れている。日本は?
「生きがい」のところには迷路の話が登場する。なんで?迷路を歩むと鎮静効果があり、右脳を解放するそうだ。迷路を進むことに左脳が働いていて、その間右脳は自由に機能するってことらしい。コーチングのセッションでミラーリングするのも、右脳の働きを高める為か?!納得。
この本は左脳の働きを否定しているんじゃなく、右脳の働きを見直そうよと問いかけている。左脳に偏重した期待を、右脳にも取り返し、右脳主導左脳支援のスタイルが良いのではと主張している。
そして右脳を鍛えるいろんな方法が紹介されている。いわゆるガイドブックみたいになっている。そう、美大や演劇学部への進学を考えている学生向きのような内容だが、大人向けなんだ。面白いと思う。一読、二読、三読して、自分は6つの内どのセンスをどう鍛えるか決めたらいい。私のとっかかりは「共感」と「物語」と思っている。

Friday, September 29, 2006

ロバート・キヨサキ他著『金持ち父さんの投資ガイド 入門編
同じ著者の「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」(感想文はここ)よりも、素早く読めるし、内容が更に成功本っぽい。
つまり、「リビング・デリバレイトリー―自分が決める人生の生き方」(感想文はここ)にある「信念が経験を創る」をお金持ちになることにそのまま応用しているし、さらに細かく視点を披露している。
いくつも金言をノートに書き写した。その一つを引用しよう。「人は間違いを犯すことから学ぶように作られていることがわかっている」(p.244) これはまさしく失敗に対する受け留め方についてサジェッションしている。
これ凄くためになると思う。はじめてのことだけど、ファイナルシャルプランナーと相談して投資プランを作ってみよう。それに、上級編も読んでみよう。

Thursday, September 14, 2006

ハリー・パルマー著『リビング・デリバレイトリー―自分が決める人生の生き方
なんと書き始めるのが適切か、迷ってしまいキーボードが押せない。
まぁ、偽らない、飾らない言葉としては、上の言葉が適切だ。
ハリー・パルマーなる心理学者が、アバターなる自分の心を探検する?ツールを見つけ、広まってゆく物語だ。拡げたのではない。意図的ではなく、もっと自然な感じで拡がったのだ。
自分の心、そして人間の心の構造を理解するのにアバターは有効そうだ。
そして、「信念が経験を創る」から信念を変えれば経験も変えられると。
この本の内容を理解しきれていないし、パーセンテージであらわすとそれが30%なのか70%なのか分らないが、雰囲気としては、絆の創り方をはじめ、いろいろと私自身が気になっていることを解消する何かをもっていそう。
このツールを使うのは個人。その個人が自分のことを探る。ここが気に入った。
コーアクティブ・コーチングではコーチとクライアントの間のモデルはあるが、人間そのものについてのモデルには言及しない。この方法で探ろうか、・・・・。
まず、ReSurfacingなるワークブック/本を読んで、書き込んでみよう。その後、アバター・コースを経験してみようか??
またまた、不思議な世界に立ち入ってしまった。