Saturday, June 24, 2006

千葉英介著『心の動きが手にとるようにわかるNLP理論

なぁ~んだ、『成功の9ステップ』に出てくる「VAK」ってNLP(神経言語プログラミング)の用語だったんだ!
読後感は、受験勉強時代の「数学公式集」と同じ。自己啓発書やコーチングテクニックの種明かしにはなっているが、もう一段深く知りたい。Amazonのレビューによると「こころのウイルス」が良さそうだ。
この本は「公式集」として十分使える。

辻本加平著『うつ病・自殺からあなたを救う!―体験者が語る具体的、実践的な対処法
「この人が書いた本だけど、知ってる?」って大阪で聞いた。そこには元気な大阪のおっちゃんが居た。10日ばかり後、千葉県のとある本屋で「もしかして?」と思って探したらあった本です。一気に読んだ。
非常に貴重な本だ。うつ病の体験者が書いているだけでなく、経営者、カウンセラーの経験を持っていた人の体験だからか、非常に客観的に病中の心の動きを説明してくれていて、参考になる。
私もある病中の人から「レストランで注文を決めるのにすごく時間が掛かる」って症例を聞いたことがある。想像もできないことなので唖然としたが、その方の時間の流れ方が判り、付き合い方を見直すことができた。
このように周囲の人がうつ病に対する理解を深められる材料をもっと知りたい。でも、まだ100%回復していないとおっしゃる著者には、病中のことを思い出すのは酷なことなんだろう。でも、ゆっくり月日を掛けて、開示頂ければありがたい。また、他の患者さんの例も知りたい。
また、経営者としての世の中の見方、商売のポイントを解説してくれている点がユニークだ。(第7章 うつ病の予防法Ⅱ)
「考え方チェックシートB」(p.82)も著者でないと書けないと思う。経営者の心中がこうなんだと判った気になれる。経営者はサラリーマンと比べものにならないほどストレス源が多いというか、次元が違うんだなぁ~。
この本は、折にふれて読み返し、自分のことや周囲の大切な人の状況をチェックするのに役立てたい。

Thursday, June 15, 2006

新谷弘実著『病気にならない生き方
意外や意外、ライフスタイル革命と共通して、自然の摂理に即した食事や生活を訴えている。著者が70歳の大腸内視鏡外科医で、アメリカ・日本で30万人の胃や腸を見てきたこと、そして臓器の専門医ってスタンスでなく、薬をできるだけ使わないで食事やライフスタイルを変える事を患者に薦めるって最近のお医者さんには珍しい方の主張だから素直に納得してしまう。7万人の患者の手術をしたそうだが、死亡診断書を1通も書いたことがないというのも素晴らしい。
この本でも、果物や野菜の摂取を進めているし、寝る前に胃の中をからっぽにすると胃炎にも、(ある種の)睡眠時無呼吸症候群に有効とのこと。知人に紹介したが、その気にならないみたい。多分、まだ切迫していないのかな?それとも諦めているのかな?
ライフスタイル革命と違うのは、「摂取・同化・排泄のサイクル」に触れていない点。だからだろうか、朝、果物ジュースを飲んだ40分ほど後に朝食をとるとのこと(勿論、玄米中心だけど)。私は当面、ライフスタイル革命流にいこうと思う。結果も出てきてるので。それと面白いのがお薦めの水の違い。ライフスタイル革命は蒸留水を、本書は還元水を薦めている。私は今はミネラルウォータか水道水なので、スーパーのアルカリイオン水(還元水)やカーショップの蒸留水を試してみようと思う。もしかしたら、蒸留器を買ってしまうかも(健康オタクみたいになってきたな)。
この本、薬だとか、昼寝だとか、いろいろ考えさせられる、そして読みやすい本です。お薦め。

Thursday, June 01, 2006

コーチング・バイブル―人がよりよく生きるための新しいコミュニケーション手法

約2週間前にCTIジャパンのコ・アクティブコーチング基礎コースを受講しました。体験学習が中心なので、書物で確認したく読んでみたら、『うぅ!』と予想外に引き込まれるところがあった。
どこか?2箇所。「未来の自分についてのエクササイズ」(p.264)と「存在意義」(p.270)。「未来の自分」も「存在意義」も単に本を読んでいるだけなのに、コーチングを受けているように、自分に答えを見つけていた。「未来の自分」の住処が分かった(うれしい!)。もう少し時間を掛けて探ってイメージを確かなものにしたい。
ところでこれってセルフコーチング?ある人が私に「(夢を)セルフコーチングで、ぜひ実現してくださいね」と言ってくれた。人様から見ても私にはコーチが不要なのかな??
もう一つ、第9章バランス(p.183~)も自分の定年前退職の理由が整理できて良い。ほんと仕事の比重が高かったものね。自分の価値観に外れた仕事になったから飛び出したんだ。凄いな、私も、退職金をプラスしてくれた前の会社も。どうも私のぼんやりと思い描いている生き方が自発的に簡素な生活を求める「ボランタリー・シンプリシティ」(p.183)と呼ばれるものに近いようだ。しかし、もう少し俗っぽいかな?
さて、本そのものの話。バイブルだからか非常にフラットな印象がある。しかし、抜かりなくいろいろきっちり書いてある。コーチの仕事の具体的なことも。しかも、日本語訳の時に相当苦労したようで滑らかな言葉遣いになっている。コ・アクティブコーチングと言う、クライアントにも積極性を求める手法なのでクライアントがこの本を読むと、うまくコーチできそう。
次に注文。「直感」が曖昧。実践中心で手法を構築してきたから已むをえないだろうが、今一歩科学的な踏込みが欲しい。脳科学の進歩を裏付けとしてはどうか?まだ調べきっていないが「Life Hacks」のサイトを読むと、生活・仕事上のTIPSをビジネスマンが紹介して、心理学者が脳科学の立場から「小脳の機能的に×××となってしまう」と解説している。こんな風に、直感も半歩でも脳科学で説明できるところがあれば、理解が進むだろうと思う。原著が1998年に書かれたとのことなので、もうこんな動きは既にあるのかもしれない。
最後に「グレムリン」。研修の時、参加者が頻繁にこの言葉を使うので不思議だった。意味は文脈から、「望むべき行動を妨げるもの」と理解していたが、この本のp.58に「変化を忌み嫌い、現状維持を求める内なる声」と定義されていた。多分映画のグレムリンから名付けたんだろうな。1984年アメリカ映画だから、ちょっと古くなったんでは。新しい名前はなんだろう?