Wednesday, May 31, 2006

『優雅な暮らしにおカネは要らない―貴族式シンプルライフのすすめ』
ドイツの没落貴族(表現が激しいが、・・)のフリージャーナリストで作家のアレクサンダー・フォン シェーンブルクが著者。
世俗の垢(あか)を拭うには最適の本。必要以上のモノと情報が溢れている現代の構造が良く分かる。
一つ例を挙げると、p.114の「マスコミはあなたを愚かにする」の項に『しかもずいぶん前から、どの学生も自分なりの考えを持っていない。他人の意見を模倣しているだけだ』とある。
これって日本だけの話では無かったんだ。マスコミのやることは、もうどの国でも同じで、こうなっちゃうの。酷いなぁ。
頑張っている人へ、肩の荷が下りるから是非読んでください。

Tuesday, May 30, 2006

日経コミュニケーション『通信下克上の舞台裏』2006年1月10日1版1刷
確か、日経コミュニケーションの購読手続き時のオマケとして入手したのを数ヵ月後に読んだ。
2005年末時点までの数年間のパワードコム・中根社長、ソフトバンク・孫社長、ライブドア・堀江社長を中心とする人間模様がすごく面白い。一気に読ませる。
各社長それぞれの戦略、通信事業の見方が面白い。中根社長の「反NTT連合」なんて業界の構図を一新させる価値はあったと思う。孫社長が一番多種多様なところに触手を伸ばしていたように思う。一番金があるからかな。堀江社長と言うかライブドアワイヤレスが関係社とのコアビジネスの組合わせをよくよく考えたのはベンチャーらしいところ。でも、最後は3者とも”泥臭い”ところに落ち着いた感じだ。
2006年になってからはソフトバンクがボーダフォンを買収したし、まだまだ変化が激しい通信業界だろうな。でも、ビッグ・ビジネスの大騒ぎの周辺で、もっと落ち着いた、息の長いビジネスは無いものだろうか?何か、あると思う。
ところで、この207頁の冊子の作者は誰だろう?日経BP社の記者だろうけど、・・・。ノンフィクション作者としてイケル。でも、ちょっと年配の方かな?「秋波」(p.18)や「耳目」(p.59)なんてあまりお目にかからない言葉が登場する。誤植がp.47とp.150にあるのも加齢の為か。

Monday, May 29, 2006

Richard Koch著『楽して、儲けて、楽しむ 80対20の法則 生活実践篇
パレートの法則(80対20の法則)は、以前から馴染みがあったが、多分ビジネスや品質管理の局面のものと思い込んでいたような気がする。
著者は生活・人生のあらゆる局面にこの法則を当てはめているのが新鮮。
時間の使い方も、常識に囚われない、自分の感覚に正直な方法を薦めている。
特に次の2点が面白い。
> 80対20方式の行動に対して、期限を設けてはいけない。
> 期限は簡単に達成できるものか、守れないかのどちらかであり、
> 守れない方が多いものだ。進歩しているなら、最後までやり遂げよう。(p.219)
→期限を設定して、守れなくって、また設定して、・・・と、
 無駄な?労力を費やしているよなぁ~。

> 時間管理でなく、時間革命へ
> 「時間管理」では、スピード・アップしろと教えられる。
> そうすれば自由な時間ができ、リラックスする時間が生れるという。
> だが、実現したためしがない。
> 時間革命は、まったく逆を考える。時間は足りないのではない。余るほどある。
> 時間があり過ぎるから、無駄に使っていると考え直すのだ。(p.61)
→ToDoリストでなく、所謂 NotToDoリストの作成を薦めている。
 私のNotToDoリストには『TVのだらだら視聴』と『だらだらネットサーフィン』が乗っかるだろうな。

Sunday, May 28, 2006

Buckminster Fuller&梶川泰司著『宇宙エコロジー―バックミンスター・フラーの直観と美
(Before)
実はこの本の存在、書名は前から目の中に入っていたんだが、読もうとは思わなかった。だけど、著者の一人、梶川泰司氏と会い、著作の紹介を受けて断然読みたくなった。
彼と会おうと思い立ったのは「hibagun.net ~中山間地におけるネットワークシステムをデザインする~」をGoogleでたまたま?もしかしたら必然的に?赤い糸が結ばれていて?見つけたから。情報インフラ僻地を自ら改革しようとしているのに関心。このサイトのトップに『宇宙エコロジー』の一節が掲げられている。
たまたま福岡開催の研修に参加する機会があり、行きはフェリーで神戸から新門司へ、帰りに広島と島根の県境に近い彼の住いを訪ねる算段とした。サイトを見つけたのと研修はまったく関係がないんだけど、結果的には確信犯的に時期がうまく重なった。
奥様も交えていろいろな話をした。ダッチオーブンでじゃがいもの丸焼きをご馳走になった。(焦げた皮がうまい。)最後にアトリエなどを案内してもらっている時にこの本の紹介を受けた。
電話をはじめ様々なネットワークを統合するはずのISDNが、インターネットに取って替わられたような何か、『ライフスタイル革命』の400万年の人類の歴史の延長線上にある本質的なような何か、を梶川氏の話から直感した。
で、好奇心を満足させるため、さっそくAmazon.comに注文したら26時間弱で届いた。
第一印象。
1)「難解。ナンカイ。南海ホークス。」
  言葉に馴染みが無いのと、独特の言い回しがあり、読みづらそう。
  でも、何かがあると信じて、・・・。
2)現地で伺った話の意味が理解できそう。
  現在のネット茶屋が正20面体のフレームで作られている訳とか。
3)あとがきの末尾に「流転する宇宙エコロジーにはけっして失業がない。」と
  あるのが妙に面白い。まだ文脈から真意は分かっていないが。
合わせて、Web検索して、梶川氏の先生、フラー氏(a)って、現在のレオナルド・ダビンチと言われた方だとはじめて知った。知らなかった世界に興味津々です。
読後感は後日。いつになるか、疑問。でも、まずざっと読んでみよう。

(a)Wikipedia contributors, "バックミンスター・フラー," Wikipedia (accessed 5月 28, 2006).

Saturday, May 27, 2006

Harvey and Marilyn Diamond著『ライフスタイル革命
副題は「私たちの健康と幸福と地球のために」。元作品名「FIT FOR LIFE」。
この本の存在は『成功の9ステップ』p.191の脚注で知った。手に入れようとしたが絶版だとAmazon.Comで知る。中古本は定価2205円の2倍ほどと、プレミアがついていた。ほぉ~!長い付き合いの本になるだろうと思い、5000円の高級品?を購入。
内容はちょっと観念的。でも、「××が△△に良い」とかのワンポイント健康法とは違い、400万年の人類の生い立ちから解きほぐしているのが良いし、納得してしまう。訳者の松田麻美子さんが、十分フォローしている。日本人向け記述もありがたい。
4/19にりんごとにんじんとバナナのジュースを飲み始めた。バナナはジューサに掛けるべきではなかった(失笑)。それから2週間後、昼食・夕食に野菜サラダを意識的につけるようになり、ナッツ類もこのころから食べ始め、元気が出てきた感覚を味わう。玄米を食べ始めたのは1ヵ月後。じわじわとナチュラル・ハイジーンの世界に入ってきている。
大きな変化は味覚に敏感になったこと。野菜の甘さを感じるようになった。白砂糖は甘すぎて食べたくない。また、生ジュースをがぶ飲みすると胸焼けになることを知った。ジュースを噛むっていうか、唾液と混ぜて胃に送ってやる小技をやれば胸焼けがなくなるのも知った。ジュースになる前の果物を食べる感覚でゆっくり噛んで飲めば良いし、それだけゆっくり時間を掛けて食べるものだと再認識した。話しながらゆっくり。今まではカロリーを補給しているだけだったんじゃないかな?または、食産業に貢献する比重が高かっただけじゃないかな?最近はコンビニに行っても買うものがなくて困る?新製品の飲み物は試してみるタイプだったが、魅力を感じなくなった。せいぜい、今は酸素入りウォータを買うぐらい。生野菜を食べると、顎が鍛えられる。顎の筋肉が疲れているのが分かる。過度の文明の垢?を拭っている感覚だ。
この本の主張したいことを私風に表現すると、「身体、特に胃に負担を掛けない食べ方を!」と言うことだろう。空腹を味わうってすごく大切な気がする。ハングリー精神も空腹を感じるところから生れるのかもしれない。金銭的に貧乏ってこととは別かも、・・・。
この本にはいくつものレシピが紹介されているが、それを試すのはこれから。自分達の食生活を基本に、ちょっとずつ新レシピを取り入れてゆきたい。楽しみだ。




この本は絶版になったが、復刻版が発行された「フィットフォーライフ」。原著作名と同じになっています。著者・訳者も同じ。2205円。お勧め!

Friday, May 26, 2006

James Skinner著『成功の9ステップ
この本との出会いと、それからの1ヶ月は劇的だった。
新聞広告(日経の2面)を見たのが4/16。日曜日。その時は、特に村上龍の幻冬舎の本の出来に感心していたので、同じく幻冬舎発行のこの本の良さを期待して即日書店に買いに行った。
その日の夕食後、何故か激しい嘔吐と下痢。深夜まで続いた。珍しいことだ。
翌日も午前中は臥せっていたが、午後からこの本を読み始めた。興味のあるところから。「時間管理は感情の管理」(p.276)ってのも面白いが、最も興味を持ったのが健康の章「Step3|無限健康を手に入れる(健康)」。特に、ナチュラル・ハイジーン(自然健康法にもとづくの健康栄養学)の箇所。
腹のでっぱりを引っ込めて、高校生時代いや中学生時代の体型に戻したいと思っていた私には、十分納得ゆく説明だ。人間の身体の特性に合わせた食べ物、食べ合わせを提案している。午前中は果物か、野菜ジュースだけ。昼食、夕食は野菜+肉/米が基本。
4/18にジューサを買い、4/19から朝食ジュースをスタート。
そして、1ヶ月強。「精悍になりましたね」と言われるまでになった。今日5/26の体重はジューサを買った4/18の2.5Kg減。このまま行けば、標準体重に淡々と近づけそうだ。
ナチュラル・ハイジーンの世界にどう入っていったかは『ライフスタイル革命』のところで詳しく説明しましょう。
健康以外の話題。この本と友人の一言でコーチングの勉強をしようと決意し、前の週末に基礎コースを終えた。そう、朝食ジュースを始めた日の丁度1ヵ月後にその研修が始まったのでした。私の人生がまた動き始めました。
この本には、参考になる、いや使える原則がある。しかし、「ちょっと違うで!」ってぇのもある。追々、話してゆきましょう。

Thursday, May 18, 2006

講談社MOOK[セオリー]vol.1『「マネーの王道」
まだ読み終わっていないが、新聞広告の『これは単なるマネー本ではない。本物の「金力」がみにつく』が、ガセでなく本当だと思われる。
講談社のサイトを見るともう在庫切れになっている。(こちら参照。2006年5月18日現在)
さわかみ投信の澤上篤人氏の記事は、さわかみ投信の勉強会に出席したよりも、考え方がよく判った。
元メジャー選手の長谷川滋利氏の話も面白い。本業だけでなく資産運用が多くの人にとって当たり前になったんだなぁ。戦前の大学の先生にも資産運用している人が僅かはいたようだが、1億総資産運用時代になりつつあるようだ。
内藤忍著『資産設計塾
~あなたの人生目標をかなえる新・資産三分法~
いやはや、面倒な時代になったもんだ。
著者の主張はリスクを分散せねば資産を作れない世の中になったってことで、例えば、{株式、債券}×{国内、海外}の4種、それに不動産投資などを加えた5種のアセットクラスに資産を分割して、運用することを薦めている。理屈はよく判る。でも、銘柄を選んだり、契約手続きをしたり、運用途中の配分見直しが面倒。多くの人は(私も)、この手法に手を付け始めるがうまく運用できず、市場のカモになる危険性がある。面倒だからとプロに依存するのが一番のカモかもしれない。
面倒がっていては、ジリ貧になるだけなんだろうけど、・・・。生活のあるパーセンテイジは資産設計に意識的に使くべきなんだろうナ、自分でしっかり考えて。でも、ちょっとサボりたい。
この資産設計するのに活躍するのが標準偏差。共通一次前の世代である私には新鮮だな。
この本でも最も興味深かったのは人生の夢・目標を明確にした上で、資産設計の目標を立てよと諭しているところ。図4-2 持ち歩いているミッションとビジョンの例(198頁)は著者自身の思いが相当詰まっていると思う。こんな風に自分の夢や目標を紙に書くことは人生論に冠する書物がどれも指摘していることだ。資産設計もスタートラインはここなんだよなぁ~。

Tuesday, May 16, 2006

梅田望夫著『ウェブ進化論
ネット世界で今起きていることを、リアル世界の人に伝えることを主眼とした本。
プロジェクト業務、管理業務に重きをおいた仕事をしていた私には、今のインターネットの技術動向やその背景を整理して教えてくれる貴重な本だ。
1960年生れの著者が9.11をきっかけに「時間の使い方の優先順位」を変えた話や、グーグル開発陣のミッションが「世界政府っていうのが仮にあるとして、そこで開発しなければならないはずのシステムは全部グーグルで作ろう。」ってぇ話など、非常に考えさせられる話が盛りだくさん詰めこかれている濃密な本に仕上がっている。
これも是非読んで欲しい、多くの人に。
村上龍著『盾 シールド SHIELD
自分の心を守る盾、私の場合はなんだろう、・・・。
短時間(約1.5時間)で読める、本当は現代日本を生きる大人向きの絵本だ。
絵本風だが、今生きている村上龍(1952年生れ)前後の世代に、「そうなんだよな」と言わせてしまう。団塊世代は、もう着地点が見えているなら、興味ないかな?
40台以下の人にも今が見えてくる。
一生懸命生きることに精一杯の人なら、年代に関わらず価値ある本です。
はまのゆか氏の挿絵もすばらしい。
一読を薦めます。149頁で1500円は安いかも。